【解決事例】夫が不貞。長年別居していると離婚は認められてしまう?別居中の交流を立証し、夫からの離婚請求が棄却されたケース
1 ご相談内容
40代女性の方からのご相談です。
ご夫婦は長年別居していましたが、その別居は離婚を前提としたものではなく、
- 家族で旅行に行く
- 一緒に外食する
- 家族として外出する
といった交流が継続していました。
しかし、夫が別の女性と関係を持つようになり、その後、妻に対して離婚請求訴訟を提起しました。
夫は、
「長年別居していた以上、すでに婚姻関係は破綻していた」
「女性関係は破綻後なので婚姻関係とは関係ない」
と主張しました。
これに対し、依頼者は、
「不貞発覚前は別居中も家族としての交流があり、婚姻関係は破綻していなかった」「破綻の原因は夫の不貞である」
として、有責配偶者からの離婚請求であり認められないと主張しました。
2 争点
本件の争点は、婚姻関係は破綻しているか、破綻しているとして、有責配偶者からの離婚請求が認められるための要件を満たしているかでした。
(1)婚姻関係が破綻しているか
不貞発覚前の長年の別居は婚姻破綻といえないが、不貞発覚後、婚姻関係は破綻したとしました。
(2)長年別居=婚姻破綻といえるか
一般に「長年別居していると離婚は認められる」と思われがちですが、実務上は、別居期間だけで機械的に判断されるわけではありません。
別居中の夫婦・家族としての実態
本件では、
- 夫婦ならではの言動
- 家族としての行動
- 関係性の継続
がどの程度あったかが重要な判断材料となりました。
(3)不貞が「破綻前」か「破綻後」か
夫は「破綻後の不貞」と主張しましたが、不貞の発覚を機にそれまで家族、夫婦としての交流が途絶えた場合は、破綻前の不貞、つまり、不貞が原因で破綻したといえます。
3 当事務所の対応
本件では、「別居していた」という不利に見える事情をそのままにせず、
別居の中身(実態)を徹底的に可視化しました。
具体的には、
- 旅行の時期・内容
- 外食・外出の具体例
- 家族としての交流頻度
などから、不貞発覚前の長期の別居は、離婚を前提とした別居、破綻の徴表としての別居ではなかったことを、時系列で整理し、ラインや写真などを証拠として、主張立証しました。
4 結果
裁判所は、不貞発覚前、長年別居していたとしても 別居中の交流実態を踏まえると 婚姻関係が破綻していたとはいえない。破綻したとしたら、不貞発覚時、つまり不貞が原因である
と判断しました。
その結果、
夫の離婚請求は有責配偶者からの離婚請求として棄却されました。
5 本事例のポイント
- 長年別居していても、直ちに離婚が認められるわけではない
別居の長さだけでなく、関係の実態が重視されます。 - 別居中の「交流の証拠」が極めて重要
旅行、外食、LINE、写真など、具体的事実の積み重ねが勝敗を分けます。 - 有責配偶者が婚姻破綻後の不貞だと主張しても阻止できることが多い。
6 このような方はご相談ください
- 長年別居しているが、離婚したくない
- 配偶者から「もう破綻している」と言われている
- 別居中に相手が不貞をした
- 不貞した夫から離婚請求を受けている
➡ 諦める前に、法的に争える余地があるかを確認することが重要です。
FAQ(よくあるご質問)
Q1 長年別居していたら、離婚は避けられませんか?
いいえ、避けられないわけではありません。
別居期間が長くても、
交流があった
関係が継続していた
と評価されれば、離婚が認められないこともあります。
Q2 別居中の旅行や外食は本当に意味がありますか?
非常に重要です。
裁判では、「夫婦関係が続いていたか」を判断するための
具体的事実として評価されます。
Q3 相手が「もう破綻していた」と言っていますが、どうなりますか?
相手の主張だけでは決まりません。
裁判では、
- 実際の交流状況
- 経済的関係
- 生活実態
などを総合的に見て判断されます。
Q4 有責配偶者からの離婚請求は絶対に認められませんか?
絶対ではありませんが、
- 離婚前提、破綻の徴表としての別居が短い
- 不貞が原因でそれまでの関係が激変した
- 離婚によって、不貞された側の配偶者が酷な状況になる
場合は、離婚請求は信義則上に止められない可能性があります。
Q5 どのような証拠を集めればよいですか?
以下が有効です:
- 旅行の記録(写真・予約履歴)
- LINEやメールのやりとり
- 外食の記録
- 家族イベントの記録
➡ 「夫婦としての実態」がわかるものが重要です。
【まとめ】
長年別居していても、
それだけで「婚姻関係が破綻している」とは限りません。
本件のように、
- 別居中の交流
- 家族としての実態
を丁寧に立証することで、
相手の離婚請求を退けることができるケースもあります。
離婚請求を受けている場合、対応を誤ると不利になることがあります。
早い段階での整理・戦略立案が重要です。
初回相談で、「争える事案か」「見通し」「必要な証拠」を具体的にご説明いたします。

たかぎ法律事務所代表弁護士



